風をみること
航空機の窓から垣間見る視点では、眼下に広がる曇り空はまさに雲の海
雲の形は風と水の「流れ」を見せてくれる
海の底から風の指先を眺めている僕は、天なる大海の流れの細部を「観ている」つもりなのだけれど
自分だって流れのまっただ中であることを忘れがちでいる
風は眼には見えないが、風をみる方法はいくらでもある
雲が風を見せてくれる
冷え込んだ朝の吐息が風を見せてくれる
地を這う地吹雪が風を見せてくれる
雪の舞いが風を見せてくれる
揺れる草木が風を見せてくれる
煙草の煙が、陽炎が、炎の踊りが風を見せてくれる